センタレス研磨とは、中心を押えず(センタレス)に部品の外周を研削する加工です。
同じような研削の方法として円筒研磨がありますが、これは、円筒の中心をセンターで押して研削していきます。これに対し、センタレス研磨では円筒の中心を押えない(センタレス)ことから「心なし研削」とも呼ばれます。
センタレス研磨の加工は、円筒形状の部品を支持刃(加工物を直接支える板)にセットし、回転する研削砥石と調整車と呼ばれる2つの砥石で挟み込み外周を加工(研削)します。加工中の部品は、支持刃が支えており、2つの砥石と支持刃で挟み込まれています。部品を加工する際は、材質や形状に合わせ調整車の回転数を調整して加工する条件を決めていきます。
なお、センタレス研磨の加工方法は、通し研削と停止研削があります。通し研削は、加工する部品が2つの砥石の間を通過していく加工であり、部品の位置決めをしないので、連続して加工が出来ます。ただし、通し研削では、外周に段差がない部品に限ります。段差がある部品は砥石間を通過できない為、通し研削には適さないのです。
対して停止研削は、部品を位置決めして研削する加工です。通し研削とは異なり、砥石間を通過しないで加工します。その為、段差がある部品でも加工可能です。従って、段差の際まで加工する場合は、停止研削が適しています。
このようにセンタレス研磨には2つの加工方法があり、研削する製品形状から最適な加工方法を選択します。
旋盤加工VA.VE.COMを運営する㈱オーゼキでは、センタレス研磨機を使用し、多種多様な外周の研削仕上げを行なっております。
なお、当社が手掛けた旋盤加工品の中で、センタレス研磨を行った製品は下記になります。
https://lathe-processing.com/products/793/
ご相談等がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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