SUS XM7 とは

旋盤加工に使用されるステンレスの鋼種には、代表的なものとしてはSUS303・SUS304、SUS420、SUS440、SUS630などがあります。これらは耐食性が高い、あるいは焼入れ・熱処理ができるなど様々な特性をもった鋼種になりますが、その中に、SUS XM7 というものが存在します。これはどういったものなのでしょうか?

 

実は、SUS XM7は、当初JIS登録はありませんでした。その理由は、あるステンレス鋼メーカーが開発中の製品をサンプル出荷したところ、とても好評だったのでそのまま市場に流通してしまったので、後追いでJIS登録が行われ、現在に至ったという経緯があるそうです。

 

そうしたこともあり、旋盤加工VA・VE.comにも、いまだに「SUS XM7」で作って欲しいという依頼がありますが、実は注意しなければいけないポイントが多くあります。それは次の2つです。

 

  1. SUS XM7は、丸棒では入手できない。
    • SUSXM7は冷間圧造品です。丸棒では入手できないので無垢材からの加工ができません。
  2. SUS304と同等の耐食性で、快削材である。
    • SUSXM7は、Niの含有量を増やしてCuを添加した材料です。一般的にNiを増やすと切削性は低下しますが、Cuにより切削性が増しています。

上記のような背景もあり、旋盤加工VA・VE.comを運営するオーゼキでは、SUSXM7で加工の依頼があった場合には、快削性が求められる場合にはSUS303を、耐食性が重視される場合にはSUS304をご提案するようにしています。

 

いずれにせよ、当社ではステンレス旋盤加工のご相談を頂ければ材料面からご提案をさせて頂いております。

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