旋盤加工VA・VE.comを運営するオーゼキでは、NC旋盤やNC自動旋盤、複合旋盤などで切削加工を行っておりますが、もちろんマシニングセンタを用いた加工も行っております。今回はマシニングセンタを使った切削加工における技術開発の事例をお伝えしたいと思います。
マシニングセンタを用いて切削加工を行う場合、必ずワークを掴む必要がありますが、これは通常はマシンバイスを使って行われます。ワークとバイスとの当たり面はフラットになっており、ワークにキズが付かないように考えられています。しかし、こうした通常のバイスだと、マシニング加工中にワークが浮き上がったりし易くなるため、切削加工条件を上げることができません。
「もっとワークをしっかり掴むつかむことはできないか?」
「もっと切削加工条件を上げて、切削効率を上げることはできないか?」
我々はそのように考え、この写真のようなスパイクバイスというものを考案しました。
マシンバイスと比較した場合、スパイクバイスは刃の部分でワークをがっちりと固定するためキズがついてしまいますが、バイスによるクランプ力を大幅に向上させることができます。従って、切削加工条件も上げることができ、結果として加工時間の短縮に繋がるのです。
これまで旋盤加工VA・VE.comでは、多面加工をする時にワークが動きやすく、どうしても切削加工条件を上げられないという様な制限が掛かっていました。つまり、加工条件条件を落として切削するか、工程を分けるしかななく、結果として手間と時間が掛かっていました。
しかし、このスパイクバイスを使用することで、角度を振っても1クランプで切削加工ができるようになり、一気に加工条件を上げることに成功いたしました。さらにしっかりクランプした上で多面同時加工を行うことになり、加工精度も向上いたしました。
なお、スパイクバイスで掴んだ面は、当然スパイクの痕が食い込んだ跡がついてしまいます。これは一連の切削加工を終えた後に挽き落とし、別工程でチャックしていた面を仕上げます。この方が、トータルとしてメリットが得られるのです。
旋盤加工VA・VE.comを運営するオーゼキでは、今回ご紹介したようなマシニングセンタの加工においても、様々な技術的トライを行うことで、難易度の高い複雑形状や高精度な加工のご要望にお応えすることに加えて、バイスなども設計・開発を行うことで生産性の向上に努めております。マシニング加工のことでももちろんご相談を頂ければ、誠心誠意対応させて頂きます。