旋盤加工VA・VE.comを運営する㈱オーゼキでは、技術開発の取り組みとして複合旋盤で偏心加工に挑戦しました。

 

一般的に旋盤で偏心加工を行う場合は、本来の中心位置からずれた位置に中心を変更する必要があるので、製品の掴み替えを行い保持位置の変更、つまり回転中心をずらすことで偏心した状態を作ります。その状態から加工することで結果的に偏心加工が出来上がります。偏心加工が必要な都度、掴み替えを行うと当然ながらトータルとしての加工時間が長くなり生産効率が上がりません。

 

そこで旋盤加工VA・VE.comを運営する㈱オーゼキでは、製品の掴み替えによる偏心加工という方法ではなく、最新設備のY軸付き複合旋盤を用い、回転工具を使用することで偏心加工を実現しました。

 

以下の製品写真は、実際に加工した製品で、軸がずれた偏心形状が特徴です。

 

製品写真

 

加工方法としては、写真にある回転中心よりずれた位置にある円、すなわち偏心円に関しては複合旋盤の特徴である回転工具と回転軸であるC軸及びX軸Y軸を使用し、偏心円を追従するような動作をして切削していきます。そのような動作をするためには偏心円の中心座標を求めてから加工プログラムを作成する必要があります。

 

なぜ偏心円の中心座標が必要になるかというと、偏心円の中心座標は回転中心を基準に回ると位置が変化します。その位置を追従する形で切削しなければ、切削工具の切削点と円の頂点位置の関係が変わってしまうので、1回転の中で偏心円の中心がどの位置にあるか求め、その位置でプログラムを作成する必要があるのです。偏心円の中心座標を求めると、Y軸方向の座標も変化する為、Y軸の機能はなくてはならないのです。切削イメージについて、下の図に表現してみましたので是非、ご参照ください。

 

今回の加工方法をまとめると、設備仕様はY軸付き複合旋盤、加工はX軸Y軸と回転軸C軸、回転工具の加工、そして座標計算からの加工プログラムの作成となります。その全ての技術を駆使して写真の製品が出来上がることがお分かりいただけたでしょうか?

 

更にこの加工方法は、製品を掴み替えすることが無いので高精度化に繋がるのと同時に、設備1台で加工しているので、加工工程を集約することにも繋がり、結果としてコストダウンにもなります。

 

旋盤加工VA・VE.comを運営する㈱オーゼキでは、技術開発の取り組みを積極的に行なっており、今回ご紹介させて頂いた加工技術のほかにも様々な技術開発にも取り組んでおりますので、下記を是非ご覧下さい。難易度の高い加工などのご相談も随時受け付けておりますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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